避妊・去勢手術のメリット
病気の予防
避妊・去勢手術を推奨する一番の理由は病気の予防です。いずれの病気も発生率が比較的高く、いざ病気になったときに、手術をしておけば良かったと後悔しないよう良く理解しておくことが大切です。
男の子
精巣の腫瘍、精巣炎、前立腺肥大症、肛門周囲腺腫、会陰ヘルニアなど
女の子
乳腺腫瘍(乳がん)、子宮蓄膿症、子宮内膜炎、卵巣の腫瘍、子宮平滑筋腫、糖尿病、偽妊娠など
発情ストレスをなくす
発情の際に分泌されるホルモンやフェロモンは作用が強く、身体や精神に大きく影響を及ぼします。つまり子孫を残すために体を変化させ、行動パターンも異性を求めるものに変わるのです。子を作らない場合、このような急激な変化は心身にとってストレスとなり、体調を崩したり問題行動の原因となります。発情は周期的に何度も繰り返すものなので不要な発情から解放してあげることも手術を受ける理由として大きいと考えられます。
一緒に生活しやすくなる
これは人間側から見たメリットになります。個体差はありますが男の子は男性ホルモンの影響でやや気性が荒くなる傾向にあります。去勢をすることで落ち着きが増したり、マーキングやマウンティングなどの行動も少なくなることが多いです。女の子は発情に伴って頻尿になったり、急に甘えるようになったりします。ワンちゃんは出血を伴いますし、ネコちゃんは大きな声で鳴いたりします。避妊することでお掃除の手間が省けたり、ご近所に迷惑をかける心配が減ります。
避妊・去勢手術のデメリット
太りやすくなる
発情でのエネルギー消費が減る一方で、食欲は変わらないため、同じ食事量のままでいると太りやすくなってしまいます。20%くらい食事量を減らすことで対応できますが、最終的に肥満傾向になる子が多いのが現実です。
麻酔・出血のリスク
いずれも若くて健康な子であれば命に係わるようなことはめったに起こりませんが、可能性として0ではないことを理解しておく必要があります。
子を産ませてあげることができなくなる
望まれない妊娠をしないことはメリットでもありますが、もし子供が欲しいと思っても繁殖能力は残っていません。また生命として子孫を残す能力を取ってしまうことに対して、多少なり抵抗感を覚えるかもしれません。