僧帽弁閉鎖不全症は小型犬に多く(※ステージA)、8歳以上で30%、10歳以上では50%以上が罹患しているというデータがあります。(※チワワ、トイプードル、マルチーズ、ダックスフント、キャバリアなどの好発犬種は最初からステージAに分類されます)
弁の閉じが悪くなることで心臓の中を一方向に流れる血液が逆流し、うっ滞を起こします。このような状態になっても、心臓は頑張って機能を保とうとするため、初めのうちはほとんど症状を示しません(ステージB1)。まだ治療は必要ありませんが、症状が進行しないか注意深く経過をみていく必要があります。
次第に病態が進行するとうっ滞した血液により心臓が拡大してきます。この状態になってもまだ心臓に余力があれば症状として現れないか、少しずつ、“疲れやすくなる”や“咳が出る”などの症状が認められるようになります(ステージB2)。この段階から治療を開始することで生活の質を改善したり、進行を遅らせることができます。
さらに症状が進行するといわゆる心不全の状態となり、肺に水がたまるようになります。酸素が取り込みにくくなるため明らかに動きが鈍くなったり、呼吸が苦しくなります。適切な治療と生活習慣の改善を行わないとすぐに命にかかわる可能性がある段階です(ステージC)。
最終的に治療を行っても心不全の症状が治まらなくなります(ステージD)。
心臓病検査の目的
1.僧帽弁閉鎖不全症を発症しているか診断する。
2.治療が不要なステージB1から、治療が有効なステージB2への進行を出来るだけ早く診断する。
3.僧帽弁閉鎖不全症への理解を深め、より健康的に過ごせる時間を長くする。
心臓病検診の内容
問診・身体検査
日々の生活の中で見落としがちな症状を聞き取りします。また僧帽弁閉鎖不全症に特徴的な心雑音が無いか聴診を行います。
レントゲン検査
心臓が大きくなっていないか、咳の原因が心臓病によるものなのか判断します。また異常がない場合でも、健康な時のレントゲン画像は、病気を発症した時の比較対照として用いることができます。1回の撮影では気付きにくい僅かな変化を見つけることができるため診断の精度を高めることができます。
超音波検査
聴診では分からない僧帽弁の形状変化を見つけたり、心臓の大きさ、血流などから心臓病の病態を詳しく評価します。
心電図検査
不整脈や心拍数の評価を行います。
血圧測定
心臓病と関連して高血圧、低血圧がないか評価します。
心臓病検診の受け方
心臓病検診は予約制ではありませんので、当日受付にて申し込みいただけます。
【心臓病検診の流れ】
① 問診表の記入
② 各種検査を実施 ( 45~60分程度 )
③ ご説明
・病気が見つかった場合はご説明にお時間をいただく場合がございます。
・検査中はお預かりいたしますのでお待ちいただいても、一度出られても構いません。
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